台湾の鄭銘謙法務相は11月5日、立法院の司法・法制委員会で、中国など域外勢力による越境弾圧への対策として反浸透法の改正を検討していると述べた。法務省は現行法では抑止力が足りないとし、越境弾圧に対応する処罰規定の新設や刑罰の引き上げを検討する。
法務省は提出した報告書で、暴行、塗料を掛ける行為、尾行や隠し撮りなどには、主に傷害や器物損壊、脅迫、秘密を侵害する罪などで対処していると説明した。刑の上限が懲役5年以下のものが多く、民主制度や言論の自由に及ぼす影響に見合う抑止力がないとの認識を示した。
中国当局が設けた台湾独立支持者の通報窓口に情報を提供した人の処罰や、性別に関連しない尾行への対処にも制度上の課題があると指摘した。法務省は行政院の指示を受け、関係省庁と、さまざまな行為を処罰対象とする方法や、犯罪収益の没収、インターネット上での拡散への対処を協議している。
与野党の議員からは、越境弾圧や敵対する域外勢力をどう定義するか、被害者をどう支援するかを問う意見が出た。国民党の翁暁玲立法委員は、政策への異議や抗議活動に参加した人を安易に域外勢力の協力者とみなさないよう、認定には証拠が必要だと指摘した。
鄭氏は、言論の自由が保障されるべきだとした上で、域外からの働き掛けが疑われる事件を踏まえ、民主的な憲政秩序を守る必要があると答えた。反浸透法は行政院の所管で複数の省庁に関係するため、法務省は法制面の協議や審査を担うと説明した。
同委員会には法務省と大陸委員会に加え、国家安全局も出席した。梁氏は、越境弾圧を域外勢力やその代理人が個人や集団に脅迫、嫌がらせ、暴力などを加えて行動を変えさせようとする行為と説明し、台湾の主権への働き掛けを巡って中国共産党を念頭に置いていると述べた。
被害者支援を巡っては、台湾民衆党の陳昭姿立法委員が、相談を受け付ける経路と関係機関の対応手順を整えるよう求めた。法務省は、捜査機関が台湾で実行した人物の背後関係を調べ、現地の協力者の責任を追及する方針を示した。
大陸委員会の梁文傑副主任委員は、被害者からの連絡を受ける専用窓口を設ける方針を示した。国家安全局も3日までに立法院へ提出した報告で、域外勢力の指示や資金提供を受けて台湾で尾行、脅迫、暴力などを行うケースへの罰則を検討していると説明していた。改正条文と施行時期は今後の手続きに委ねられる。
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(2026年11月6日)
