台湾のデジタル発展部資通安全署は10月29日、通信・ネットワーク機器に対するサイバー攻撃について警戒を呼び掛けた。イスラエルの情報セキュリティー企業Dream Securityが、米国、日本、韓国、台湾のファイアウオールなど計25台について、プログラミング言語PHPの脆弱性を悪用した不正侵入の疑いを指摘したことを受けた措置である。
台湾当局は、関係する機器の管理者に対して、設定内容の点検や修正プログラムの適用などを求めている。中央通信社も同日夜に報じた。
4カ国で計25台への侵入疑惑
今回の問題は、ネットワークの通信を制御するファイアウオールなどの機器に関係している。ファイアウオールは、外部ネットワークと内部ネットワークの間で通信を監視し、不正な接続を防ぐための装置である。
こうした機器に脆弱性がある場合、攻撃者が管理機能に不正アクセスしたり、内部ネットワークへの侵入を試みたりする可能性がある。
Dream Securityが指摘した25台は4カ国の合計であり、台湾国内だけで25台が被害を受けたという意味ではない。台湾国内で影響を受けた機器の正確な台数や、管理者の業種、具体的な被害状況については、今回確認した情報では明らかになっていない。
政府が設定確認と修正を要請
資通安全署と国家資通安全研究院の初期評価では、こうした機器の管理画面は通常、インターネットに公開されておらず、攻撃者が外部から直接接続することは難しい。機器ごとにシステム環境が異なるため、同じ攻撃プログラムで多数の機種・バージョンを一律に攻撃することも難しいと説明した。
一方、管理画面を外部に公開し、修正プログラムを適用していない機器には侵入リスクが残る。当局は、管理画面への外部からの接続を閉じ、メーカーの更新情報を確認して修正するよう求めた。
当局は、今回の脆弱性を「PHP2Shell」と説明し、識別番号としてCVE-2026-109618とCVE-2026-109619を挙げた。一部のファイアウオールや通信機器は管理機能にPHPを組み込んでおり、潜在的な影響があるという。
すでに不正アクセスを受けた疑いがある場合は、更新に加えて侵入の形跡や不審な設定変更の有無などを確認することも必要になる。
重要インフラの通信管理にも関係
ファイアウオールなどのネットワーク機器は、企業、行政機関、通信事業者など幅広い組織で使用されている。そのため、機器の管理機能に対する不正アクセスは、個別の端末だけでなく、組織内の通信や情報管理にも影響する可能性がある。
台湾では政府機関や企業を標的とするサイバー攻撃への対策が安全保障上の課題となっている。ただし、今回の侵入疑惑について、特定の国家が関与したと確認されたわけではない。攻撃主体を特定する情報がない段階で、国家による攻撃と断定することはできない。
台湾当局は、ネットワーク機器の管理者に対して脆弱性への対応を求めており、具体的な被害状況については追加の確認が必要となる。
