台湾陸軍は、中国軍などの脅威に対応するため、米軍の訓練方式を参考にした新しい基地訓練「CTC2.0」を2026年初めから導入している。従来の採点表や決められた台本に沿った演習を改め、部隊が自ら戦術目標を設定し、予測できない状況の中で判断力や部隊間の連携を高める。中央通信社が10月25日、新竹県湖口の陸軍北区連合測考センターで行われた訓練の詳細を報じた。
採点表中心の訓練から実戦型へ
CTC2.0は「採点表からの脱却」「審判官の役割転換」「台本のない演習」の3点を柱とする。従来の基地訓練では、部隊があらかじめ定められた項目を実施し、達成できなかった場合に減点する方式が中心だった。新制度では、各部隊が任務や装備、想定される戦闘環境に応じて目標を設定する。
ただし、部隊が独自に基準を定められることは、訓練の合格水準を引き下げることを意味しない。設定した基準は大隊、旅、測考センターの審査を受け、軍の基本規則を下回ることは認められない。
歩兵109旅と連合兵種542旅が参加
新竹県の訓練では、義務兵を主体とする歩兵109旅と、志願兵を主体とする連合兵種542旅が共同参加した。訓練は10日9夜にわたり、24時間継続する対抗演習として実施。主力部隊と守備部隊の連携、通信の接続、戦術行動、指揮統制の能力を検証した。
仮想敵は北区連合測考センターの直属部隊が担当し、参加部隊は実際の戦闘に近い状況で対応を求められた。複数の部隊が同じ演習に参加することで、単独部隊では把握しにくい通信や火力支援の問題も確認できるようにした。
装甲車と戦車の連携に問題、現場で訓練やり直し
演習では、連合兵種542旅の雲豹8輪装甲車とM60A3戦車が狭い道路を前進する場面があった。しかし、先行する雲豹装甲車は火力を発揮できた一方、後続の戦車は射撃に適した位置を確保できなかった。教官は部隊を出発点に戻し、進路や戦術行動を再検討させた。
従来の方式では、演習終了後に問題点を指摘することが多かった。新制度では、問題が確認された時点で幹部を集めて行動後検討を実施し、その場で改善策を考えさせる。
教官は審判官から観察・指導役へ
CTC2.0では、教官が単に正誤を判定するのではなく、観察と指導を担う。教官は観察・指導・訓練の専門課程を受け、安全を確保しながら部隊の行動を継続的に観察する。
例えば、演習で10人の戦死者が出た想定の場合、教官が一方的に正解を示すのではなく、警戒態勢や障害物の配置、部隊の展開方法などについて指揮官に質問し、改善策を検討させる。現場での反復訓練を通じ、指揮官と兵士が失敗の原因を理解する方式を採用した。
戦術情報共有システム「TAK」を使用
新訓練では、レーザー交戦システムと戦術情報共有システム「TAK」も使用する。レーザー交戦システムは、実弾を使用しない状況で命中判定などを行い、交戦の結果を演習に反映させるための装備である。
TAKは部隊の位置や状況を共有するために使用され、異なる兵種間で敵味方の位置を把握することに役立てる。通信の接続や情報共有が十分に機能するかどうかは、歩兵、装甲部隊、火力支援部隊などが共同で作戦を実施する際の訓練項目となる。
基地訓練は計9週間
台湾軍の2026年訓練計画によると、実兵部隊の基地訓練は原則2年に1回、歩兵大隊は1年に1回実施する。全体の訓練期間は9週間で、3週間の準備訓練、3週間の戦術測考、2週間の戦力測考、1週間の訓練後検討からなる。戦術測考には10日9夜の連続対抗演習と装備整備が含まれる。
基地訓練の後には、三軍による実弾射撃、連合兵種旅の対抗演習、防衛作戦計画に基づく演習などを実施する。CTC2.0は新しい兵器の配備や米軍との共同作戦開始を発表したものではなく、台湾陸軍内部の訓練方式を変更する取り組みである。
出典
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(2026年10月25日)
