台湾の電子商取引サービス会社91APPは10月29日、同社のシステムに対する不正アクセス事件について調査結果を公表し、最大479万8255人の消費者情報が外部から閲覧された可能性があると発表した。影響を受けた可能性のあるブランドは1329に上る。同社は補償申請の受け付けを開始し、消費者への個別通知は11月2日から実施する予定だ。
91APPは同日、「不正アクセス事件25日間調査報告」を発表した。何英圻董事長は記者会見で経営幹部とともに謝罪し、影響を受けた消費者への対応に責任を持つと表明した。中央通信社も報じた。
18カ月分の注文情報を保存するデータベースが被害
91APPによると、外部の情報セキュリティー企業、奥義智慧科技による調査で、同社の電子商取引基盤「Commerce Cloud」の短期注文データベースに不正アクセスがあったことを確認した。
このデータベースには過去18カ月以内の取引情報が保存されており、一部のデータが盗み取られた。
影響を受けた可能性があるのは、2025年4月4日から2026年10月14日までに成立したオンライン注文に関する情報である。
対象となる情報には、消費者の氏名、電話番号、配送先住所、電子メールアドレス、注文履歴などが含まれる。一方、同社はパスワード、クレジットカード情報、その他の決済情報は対象に含まれていないと説明している。
479万人全員の流出が確定したわけではない
91APPは、どの注文情報が実際に外部へ流出したかを完全には特定できないため、影響を受けた可能性がある最大範囲を対象人数として公表した。そのため、479万8255人全員の個人情報が流出したと確定したわけではない。
ただし、氏名や電話番号、配送先住所、注文履歴などの組み合わせは、消費者を狙った詐欺に悪用される可能性がある。何董事長は、不正アクセスによって消費者が詐欺メッセージに悩まされ、一部には金銭的な被害も発生したと説明した。
2027年2月1日まで補償申請を受け付け
91APPは、影響を受けた可能性のある消費者について、金銭的な損失の有無にかかわらず相談や補償申請を受け付ける。申請期限は2027年2月1日。会社の公式サイト、電話、電子メールなどを通じて受け付ける。
同社は10月29日、影響を受けたブランドに正式な通知を送った。11月2日からは、各ブランドの承認を得た上で、消費者に電子メールやショートメッセージで個別通知する予定としている。
通知や申請の受け付けにかかる費用は91APPが負担する。一方、具体的な補償金額や会社の業績に与える影響については、調査・検討を続けている。
偽の通知による詐欺にも警戒
91APPは、同社や取引先ブランドが消費者に対して、個人のLINEアカウントへの登録やATM操作、個人情報・決済情報の提供を求めることはないと説明した。
また、11月2日からの正式通知には、個人情報の入力を求めるリンクを掲載しないとしている。同社は、不審な連絡を受けた場合には台湾の詐欺相談窓口「165」に相談し、すでに送金した場合は銀行や警察に連絡するよう呼び掛けている。
